【真空管?ソリッドステート?】ベースアンプの種類と選び方

機材関連

どうもKelonです。

みなさんエレキベースを弾くときは必ずと言っていいほどアンプを使いますよね。

アンプとは、正しい名前をamplifier(アンプリファイア)といい、その名の通り音を増幅させる役割を担っておりそのまま弾いただけではみんなに聴こえないエレキベースの音を大きくして聴こえるようにしてくれます。

なのでベースアンプ無しでは演奏を聴いてもらえませんし、音作りによる個性も出せません。
仮にPCから音を出している人でもDAWでアンプのプラグインを使って音作りしていると思います。

そんな重要なアンプさんですが、実はベース本体にジャズベースやプレシジョンベースと種類があるようにベースアンプにも種類が存在して、それぞれで音の特徴や扱いやすさが変わってきます。

今回はそんなベースアンプの種類を解説していきます。

結論だけ知りたい人はこちら

音を大きくする方法の違い
フルチューブ(真空管)アンプ=暖かくて太い音、重くてでかいので持ち運びは大変で寿命があるのでメンテナンスが大事。

ソリッドステートアンプ=硬くてクリアな音、2㎏ほどの軽いものもあり持ち運びが楽で寿命もありません。

形状による違い
スタックアンプ=ヘッドアンプとキャビネットが独立しているもの。いろんな組み合わせが試せるが、大型のものが多いので持ち運びが大変

コンボアンプ=ヘッドアンプとキャビネットが一体化しているもの。自宅でも使用できる小型のものからライブハウスでも使える大型のものまで存在する。持ち運びが楽。

忙しくない人は細かく解説していくのでぜひ最後までしっかり読んでみてください。
アンプの特性がわかれば自分の理想とする音に向けて選ぶべきアンプがなんとなく見えてくるはずです。

使い方を知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
【音を出してみよう】ベースを弾くための準備やセッティング

音を大きくする(電気信号の増幅)方法による違い

ベースアンプの役割はエレキベースから送られてきた音(電気振動)を増幅させて大きな音で出力することですが、その増幅方法によって種類が分類されます。

チューブ(真空管)アンプ

真空管によって音を大きくするタイプ。

太くて柔らかい暖かみのある音を出すのが得意で、いかにもベースらしい心地よい低音が得られます。
真空管で得られる歪みは非常にナチュラルでアンサンブルに溶け込みやすいので、状態のいいヴィンテージのチューブアンプは非常に高額で販売されるほど人気があります。

ただし、真空管は寿命がある上壊れやすいのでメンテナンスの手間がかかります。
また、古いチューブアンプだと使われている真空管が廃盤になってしまっていて、壊れても交換できない場合もあり、その場合別の真空管で修理したとしても壊れる前と同じ音に戻るかはわかりません。

またチューブアンプは大きくて重いものが多く、持ち運ぶには車での移動が必須になると思います。

いい音が得られる反面、扱いづらいというデメリットもあるので気をつけましょう。

厳密にはチューブアンプには2種類あり、アンプ内部のプリアンプのみが真空管のものをプリチューブアンプ、プリアンプとパワーアンプが共に真空管のものをフルチューブアンプと呼びます。

ソリッドステートアンプ

トランジスタによって音を大きくするタイプ。

こちらは硬めでクリアなサウンドが特徴で、スラップやタッピングなど高音を聴かせたいプレイをするときにいい音が得られやすいです。

トランジスタは基本的に寿命が無いのでメンテナンスの手間はあまりかかりません。
(してあげた方が長持ちするとは思いますが)

ソリッドのアンプは3㎏以下の軽くて小さいものも多いので、手軽に持ち運ぶことが可能です。

ただ、ソリッドアンプの音はデジタル臭くて抜けが悪かったり、音の立ち上がりが悪いといったデメリットもあります。

ボカロやアニソンなど、バキバキにスラップしたりするジャンルの音楽をやる場合はソリッドの方が向いている場合も多くありますが、曲によっては硬い音になりすぎるので気をつけましょう。

『チューブアンプが至高』といった風潮が根強くありますが、2021年現在その差はほとんどなくなってきているとも言われています。
近い将来ソリッドステートのアンプでも真空管と同じ音が出せるかもしれませんね。

形状の違いによるベースアンプの種類

次に形状の違いによる種類です。
同じベースアンプですがそれぞれのどのような使い方をするかによって、メリットとデメリットは大きく変わってくるので詳しく解説していきます。

スタックアンプ

https://ampeg.jp/より引用

ヘッドアンプ(音作りをするためのつまみなどがついている部分、以下ヘッド)とキャビネット(音を出すスピーカーの部分、以下キャビ)が別々に作られているタイプ。
どちらか一つでも欠けてしまえばアンプとしての役割を失います。

スタックアンプのメリット

スタックアンプのメリット
・ヘッドとキャビを別々に選べるので自分が出したい音を追求しやすい
・大音量が出せるものがほとんどなのでライブハウスやスタジオでも活躍
・ヘッドだけ持ち運ぶ場合は荷物が減る

ヘッドとキャビを別々に選べるので自分が出したい音を追求しやすい

別々に選べるので当然選択肢も広がります。
ヘッドとキャビを同じメーカーで揃えている人が多い印象ですが、絶対そうしなければいけないというルールはありません。

当然メーカーが推奨している組み合わせはそれぞれの相性を考えて作られているということなので、アンプの特徴を最大限引き出してくれる組み合わせなんでしょうが、個人の好みとはまた別の話。
例えば、『ヘッドはAmpegだけどキャビはFenderで!』なんてことをやったとしてもそれで自分が求める音になるならそれでいいのです。

思う存分いろんな組み合わせを試せるのがスタックアンプの魅力です。

大音量が出せるものがほとんどなのでライブハウスやスタジオでも活躍

基本的にスタックタイプは大音量のものが多いのでスタジオやライブハウスでも十分使えます。

ライブハウスやスタジオで見かけるのはスタックタイプがほとんどですが大きな理由はこれでしょう。
音量の大きさをW(ワット)数で表すのですが200W〜1800Wくらいのものがほとんど。

正直1000Wとか超えてくるとアリーナとかホールでライブするレベルの音量なので、ライブハウスやスタジオで使う分には400W〜900Wくらいあれば十分すぎる音量が出ます。

ヘッドだけ持ち運ぶ場合は荷物が減る

特にキャビにこだわりがない場合は、スタジオやライブハウスのものを使えばいいので荷物が減ります。

当然キャビも大事ですが音作りに関係する割合はヘッドの方が大きいので、小型のヘッドを一つ持っておけばある程度どこでも自分の出したい音が出せます。

スタックアンプのデメリット

スタックアンプのデメリット
・ヘッドとキャビ両方持ち運ぶ場合は大荷物になる。
・別々でメンテする必要があるので手間がかかる。

ヘッドとキャビ両方持ち運ぶ場合は大荷物になる。

両方持ち運ぶ場合はかなりの荷物です。
特にキャビは大きくて重いのでカートに乗せて運んだり、車で移動できる人じゃないと持ち運びは厳しいでしょう。
車で移動させる場合でも、大型のキャビだと一人では車に出し入れするのも厳しいので運搬を手伝ってくれる人も必要になります。

別々でメンテする必要があるので手間がかかる。

当然メンテナンスの手間は2つ分です。

どちらかに以上が出てしまうともう片方は存在価値を失ってしまうので、無駄にならないよう日頃からしっかりメンテしてあげましょう。

スタックアンプがおすすめな人

以上の点から、

・ライブハウスやスタジオなど、大きな音量で使うシーンが多い人
・音作りに並々ならぬこだわりがある人

車で移動できる人、運搬を手伝ってくれる人がいる人

はスタックアンプがおすすめです。

コンボアンプ

https://ampeg.jp/より引用

ヘッドアンプとキャビネットが一体化しているものをコンボアンプと呼びます。

コンボアンプのメリット

コンボアンプのメリット
・持ち運びが楽
・選べるサイズの幅が広い

・野外でも使いやすい

持ち運びが楽

コンボアンプはヘッドとキャビが一体化しているので当然荷物も少なくなり、持ち運び前提に作られていることが多いので持ちやすいように取手がついたりしているモデルも多いです。

選べるサイズの幅が広い

コンボアンプは出力が10Wの小型のものから500Wのライブハウスでも十分使えるものまで非常に幅広いモデルが存在するので、使い方や外に持ち出す頻度を考えて選ぶことができます。

もし自宅の練習にしか使わないということであれば10W〜30Wくらいのものを選んでおけば十分でしょう。

野外でも使いやすい

コンボアンプはバッテリーが内蔵されているものや乾電池で動かせるものが存在するので、外での演奏も気軽に行うことができます。

特に路上ライブを行う場合は、バッテリーがついていないアンプを使うとなると別でバッテリーを用意する必要があるので別でお金もかかりますし、持ち運びも大変になるので路上ライブをする人にはバッテリー付きのものが特におすすめです。

コンボアンプのデメリット

コンボアンプのデメリット
・スタックアンプに比べると音作りの幅が少ない
・出力の弱いものは自宅以外ではあまり使えない

スタックアンプに比べると音作りの幅が少ない

ヘッドとキャビを別々に選ぶことができないのでそのアンプである程度出せる音は決まっています。

ヘッドに関しては別でエフェクターを用意して音の特性を変えるなどして補えますが、キャビに関しては別のところでカバーするのは難しいので音にこだわる人は慎重に選びましょう。

出力の弱いものは自宅以外ではあまり使えない

10W〜30Wアンプは自宅以外で使うとなると音が小さすぎてあまり使い物になりません。

一人で演奏する場合は大丈夫かもしれませんが、バンドで演奏するとなると他の楽器の音にかき消されてしまって尚更聞こえにくくなるので、持ち出してバンドで使う予定のある人は200Wより上のものを選んだ方がベターです。

コンボアンプがおすすめな人

以上の点から、

・自宅練習用のアンプを探している人
・気軽に持ち運びたい人
・路上ライブを行う人

はコンボアンプがおすすめです。

ギターアンプとベースアンプの違い

ギターアンプにベースを繋いでも、基本的に役割や作りは同じなので普通に音は出ます。

ただ、最終的にギター用にチューニングされているか、ベース用にチューニングされているかといった違いがあり、ギターアンプはベースが出している低音を上手く再生するように作られていないのでペラペラとした薄い音になります。

ベースを弾くときはちゃんとベースアンプを用意しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はベースアンプの種類別に特徴や役割を解説しました。

この記事に書いてあること以外にもメーカーごとについている機能が違ったり、チューニングしてある音域の違いなどで音は変わってきます。
いろいろ試すと違いが見えてきて面白いと思います。

アンプは安い買い物では無いですし、頻繁に買い換えるようなものではないので特徴を理解した上でしっかり選ぶようにしましょう。

では!

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