【実は音にも影響する】ベースやギターの塗装の種類と特徴!手入れの方法や扱う時の注意点も解説!【見た目だけじゃない!】

ベースの基礎知識

どうもKelonです

皆さんはどんな色のベースやギターを使っていますか?
透明な塗装で杢目を活かしている楽器もありますが、塗装が全くされていないベースやギターはみたことがありません。

こんな木材剥き出しの状態で使ってる人なんて見たことないですし、もちろん売ってもないです。
なぜなら、塗装をすることで見た目以外に重要な目的があるからなんです。

なので今回はベースやギターを塗装する目的と塗装の種類、それぞれの特徴や扱い方を解説していきます。

結論から知りたい人はこちら

塗装をする目的は、見た目を良くすること楽器を湿気や汚れから守るため!

塗装の種類は、ポリウレタン塗装ポリエステル塗装ラッカー塗装オイルフィニッシュの4種類!

ベースやギターを塗装する2つの理由

まず1つ目は単純に見た目を良くするためです。
ベースやギターに使われる木材はある程度決まっているので、もしみんな塗装をしてない楽器を持っていたらほとんど同じ見た目になっちゃうのでつまらないですよね。
楽器を選ぶときは見た目も重要な要素だと思うので、各楽器メーカーも塗装にはかなり力を入れています。

そして2つめは、楽器を湿気や汚れから守るため。
ベースやギターは木材でできているものがほとんどです。
木は伐採されて材料になってからも生きているので、湿気で伸縮したり、汚れや菌で腐食したりカビが生えたりします

塗装をしていないと我々から出ている汗や手垢、皮脂などが木材にどんどん染み込んで取れなくなりますし、ジメジメした夏場の湿気も吸収し放題で木材にとって最悪な状態になります。

塗装をすることで木材に膜が張られるので、汚れは染み込まず拭けば落ちますし、湿気も吸収しにくくなります。

塗装は、木材にとって有害なものを守ってあげるバリアのような役割を果たしているのです。

ベースやギターに使われる塗装は4種類

実は塗装は、塗料の種類によって大きく4種類に分類されます。

代表的な塗装4種類

・ポリウレタン塗装
・ポリエステル塗装
・ラッカー塗装
・オイル塗装(オイルフィニッシュ)

全てに共通して言えることが、木材の鳴りは乾いた後の塗料の硬さ塗膜(塗装で作る膜)の厚さで決まります。
なので、塗料によって鳴りが変わるのではなく塗料によって塗れる厚さが違うので鳴りが変わるという仕組みです。

塗膜が薄い=よく鳴る
塗膜が厚い=鳴りが少ない

とい言うことを頭に置いてそれぞれを比較してみましょう。

ポリウレタン塗装

保護力:高い
木材の鳴り:悪い
耐久性:高い
生産コスト:安い
経年変化:やや有り

こちらがおそらく最も使われている塗料。
ウレタン塗装と呼ばれることもあります。

塗膜の厚さは後述するポリエステルとラッカーの中間くらいで、耐久性の高い塗料なので保護力も高めです。

木材の鳴りを邪魔しすぎない適度な硬さと、乾くのが早く製造コストも安いので大量生産に向いていることからエントリーモデルやミドルクラスの楽器に良く使われています。

経年変化も楽しめる塗料なので、楽器を使い込むうちに黄色味がかってきます。

ポリウレタン塗装の手入れ方法

丈夫な塗料なので基本的にどんなケアグッズを使っても大丈夫です。
ただ、マット(艶消し)仕上げの楽器に研磨剤入りのポリッシュを使うと艶が出てしまうこともあるので気をつけましょう。

ポリエステル塗装

保護力:最も高い
木材の鳴り:最も悪い
耐久性:最も高い
生産コスト:安い
経年変化:無し

名前は似ていますが、ポリウレタンとは別物です。
ポリ塗装と呼びますが、ポリウレタンのことをポリ塗装と呼ぶ人もいるのでポリエステルとフルネームで行った方が誤解がないです。

最も硬く塗膜が分厚くなる塗料です。
それ故に鳴りが悪いと言われたりもしますが、逆に鳴りすぎる木材をポリエステルで仕上げてバランスとることもあるのでハイエンドベースにも使用されている塗料です。
一方で一度塗りで完結し、乾くのも早いのでエントリーモデルなどにも使われていたりする器用な塗料です。

保護力はずば抜けて高く経年変化はほとんどありませんが、硬すぎる故にぶつけると亀裂が入ったり塗料だけ欠けたりします。
経年変化しないからといってポリエステル塗装の楽器をレリック加工するととても不自然な感じになるのであまりおすすめしません。

ポリエステル塗装の手入れ方法

ウレタンと同じです。

ラッカー塗装

保護力:弱い
木材の鳴り:良い
耐久性:低い
生産コスト:最も高い
経年変化:有り

一部の高級楽器やヴィンテージの楽器に使用されている塗料です。

正式にはニトロセルロースラッカーといい、ラッカー塗装をする際は『塗って乾かして削ってまた塗って…』という作業を何度も繰り返さないとならないため基本的に高額な楽器なります。

最も柔らかく薄い塗膜に仕上がるので鳴りもいいです。
しかしその分保護力は弱めで、汗で塗料が溶けたりちょっとぶつけただけで塗料が剥がれます。
なんならピック弾きの人は自分のピックで塗料削れます。

また、ゴム系の素材と接触すると化学反応が起きて塗料が溶けるのでゴムが使われているギタースタンドを使っている人は要注意です。

耐久性は弱いですが、その分経年変化を思う存分楽しむことができ、塗料の色褪せや削れ方が良い味を出してくてたり、ウェザーチェックという塗料が細かくひび割れるラッカー塗装特有の症状も出ます。
綺麗なウェザーチェックの入っているヴィンテージ楽器は高値で取引されるほど人気があるので、ひび割れたからと言って落ち込まないようにしましょう。

ラッカー塗装は高い割りにすぐボロボロになるのでそれがアジだと捉えられない人は避けた方が無難です。

ラッカー塗装の手入れ方法

ラッカー塗装はとてもデリケートなので普通ポリッシュなどは使えませんし、レモンオイルやオレンジオイルは厳禁です。
普段の手入れはクロスでから拭きし、ポリッシュを使う際は必ずラッカー対応のものを使うようにしましょう。

オールラッカーとラッカーフィニッシュの違い

ラッカー塗装を選ぶ時に必ず注意しなければならないのが
オールラッカー”と”ラッカーフィニッシュ”の違いを理解しておくこと。

オールラッカー下地から仕上げの塗装まで全てラッカーが使われているもの
ラッカーフィニッシュ下地はポリやウレタンで仕上げにのみラッカーが使われているもの

どちらもラッカー塗装と言われても嘘ではないですが、実際は大きく違います。
経年変化やなりの良さを楽しむつもりでラッカーフィニッシュを買っても、表面のラッカーが剥がれても下からポリやウレタンが顔を出すだけですし、塗膜も薄くないのでオールラッカーと同じような鳴りは得られません。

最近では区別せずにラッカー塗装と表記してある楽器店も多いので必ず確認することをおすすめします。
鳴りを押さえて見た目はラッカーが良いなどの理由があるなら別ですが、オールラッカーを買ったつもりでラッカーフィニッシュを買うと、期待しているような楽しみ方はできないので充分注意しましょう。

オイル塗装(オイルフィニッシュ)

保護力:最も弱い
木材の鳴り:最も良い
耐久性:最も低い
生産コスト:安い
経年変化:有り

こちらは塗装といいつつもオイルを木材に塗り込む仕上げのことを指します。
木材にオイルを染み込ませることで、湿気や汚れを弾いて木材を守ります。

塗料を使わないので膜が作られず、楽器が最も鳴ると言われています。
その反面保護力はかなり弱く、塗膜がない分衝撃にも弱いのでぶつけたり落としたりすると木材に直接ダメージが入り、傷もかなりつきやすいです。
また、手入れをサボって木材が乾燥しすぎると木材に直接亀裂が入ったり最悪割れるので、特に冬場などは必ず定期的に手入れをしてあげましょう。(手入れ方法は後述)

木材のざらざらした質感や杢目を残すことができるので木材にこだわったハイエンドベースから鳴りを意識したミドルクラスのベースにまで使われています。

木材を直接生かすための方法なので、経年劣化も木材のリアルな質感や傷の入り方などラッカー塗装とはまた違った経年変化が楽しめます。
ちなみに一度オイルフィニッシュをしてしまうと、塗料を弾いてしまうので他の塗料で塗り直しなどはできないのでご注意を。

オイルフィニッシュの手入れ方法

から拭きして汚れや埃を落とした後に、ワックスを塗り込みます。
落ちない汚れがあっても、ポリッシュなどは使えないので注意しましょう。
ワックスは汚れを落とすのではなく、木材の水分補給のために塗り込むイメージです。
1〜2ヶ月に1度のペースで行うことをおすすめします。

まとめ

今回はベースやギターの塗装の種類別に特徴や手入れの方法をまとめました。

自分の楽器の塗装を知ることで、正しい手入れの方法や扱い方を知ることができるので自分の楽器の塗装を把握していない人は知っておいて損はないです。

ただ、鳴り方や経年変化については人によってメリットになるかデメリットなるかが変わるので、自分にとって一番良いと思った塗装の楽器を選んで良いと思います。

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