どうもKelonです。
皆さん、ベースを弾く時にエフェクターを使っていますか?
いろんなかっこいいベーシストの演奏を聴いていると、
『あの音どうやって出してるんだろう…』
『エフェクターを買えばあの音に近づけるかな…』
とか考え出して、1度買ったら最後エフェクター沼という脱出不可能な沼にハマり始めると思います。
ただ、たくさんエフェクターを揃えて、『いざ、エフェクターボードを組むぞ!』と思ったものの、どんな順番で繋げばいいのかさっぱりわからないという人も少なくないでしょう。
今回はベースの音作りの際、複数のエフェクターを使うときの繋ぐ順番を解説します。
ただ、これに関しては結論から書くと、
自分が好きな音、いい音が作れるならなんでもいい
というのが正解。
とはいっても、先人たちが挑戦の末辿り着いたいい音が出やすい順番、セオリーみたいなものが存在するので今回はそれを解説していきます。
エフェクターを繋ぐ順番とそれぞれの役割
このようにエフェクターの種類ごとにいくつかのエフェクターがまとめられており、フィルター系のように目的によって繋ぐ位置が変わるものもあります。
それぞれのエフェクターの役割と、なぜその位置に置くのかというところを併せて解説していきます。
なお、繋ぐ順番が複数あるエフェクターに関しては最後にまとめて紹介しています。
無加工系
まずは無加工系。
音に、派手なエフェクトをもたらすような効果はなくプレイヤーの助けになったり、のちのエフェクターの効果を引き上げるような役割をもたらすものがここに分類されます。
チューナー
加工されてないクリアな音をチューニングするためにできるだけ最初に置きます。
チューナーアウトを搭載したエフェクターを持っている場合でも、そのエフェクターを先頭に置かないのであればチューナーアウトは使用せずにチューナーを最初に置いた方がいいです。
バッファー
ノイズ対策や音痩せ防止のために使うエフェクター。
バッファーを使う場合はチューナーよりも前に置きましょう。
ベースの音質を向上させる目的で使うものなので他のエフェクターの後に繋いでしまうと効果も半減します。
補正系(ダイナミクス系)
次に補正系。
こちらは音量を整える役割のあるエフェクターや、音程を変えるエフェクターなので他のエフェクターに入力する前に一度音を整える目的で前の方に配置されることが多いです。
コンプレッサー
通称コンプ。
あらかじめ設定した音よりも大きい音を小さく、小さい音を大きくすることで音量を均一に加工してくれるエフェクターです。
※コンプレッサーについて詳しく知りたい人はこちら
【徹底解説】ベース用コンプレッサーの使い方!【初心者におすすめの機種もご紹介】
リミッター
小さい音も大きく加工してくれるコンプに対し、リミッターはあらかじめ設定した音よりも大きな音のみを圧縮またはカットしてくれるエフェクター。
使い方は似ていますが異なるものなので同じものだと考えないようにしましょう。
ちなみに、こちらはいわゆる”コンプ感”が少ないのでナチュラルな音を求める方はリミッターがおすすめ。
ピッチシフター
ピッチ(音程)をシフト(切り替え)するエフェクター。
あらかじめ設定した音を元の音と同時に鳴らすことが出来るので単音で弾いてもハモって聴こえます。
高低どちらにも設定することができるので設定次第ではギターのような高音もベースで出すことができるようになります。
オクターバー
ピッチシフターと似ていますが、こちらは低音側にしか設定ができません。
詳しい説明は、本題と逸れてしまうので省きますがピッチシフターの方が高低両方変えられて便利だけど、オクターバーの方が反応が早くて音が太いということだけ覚えていきましょう。
ピッチシフターやオクターバーは歪み系やモジュレーション系のエフェクターの後に繋ぐと、倍音成分など音の情報量が多くなりすぎて正しく作用しなくなることがあるのでそれらの前に繋ぐようにしましょう。
歪み系
エフェクターの定番と言っても過言じゃない歪み系。
最初に買うのは歪みという人も多いのではないでしょうか。
ここから派手に音色を変えるエフェクターに入っていきます。
※歪み系のエフェクターについて詳しく知りたい人はこちら
【歪み3種の違いを徹底解説!】オーバードライブ、ディストーション、ファズ、歪み系エフェクターのそれぞれ特徴と違い
オーバードライブ
歪み3兄弟の末っ子。
優しく暖かい歪みが特徴で、弱くかけることでアンサンブルに馴染みやすくなったり、逆に強くかけることでギャリギャリした強烈な音になるのでソロなどで目立てます。
ディストーション
歪み3兄弟の次男。
機械的な硬い歪みが特徴で、オーバードライブに比べると荒々しい歪み方をします。
激しい歪み方をするのでハードロックやメタルを演奏するときに使う音を作るのには適していますが、オーバードライブのように薄くかけてアンサンブルに馴染みやすくする目的での使い方は難しいです。
ファズ
歪み3兄弟の長男。
意図的にノイズが混じった音にするようなものもあったり、とにかく激しい歪みが特徴。
ディストーションよりもさらに激しい歪み方をするので使用する際は慎重に音作りをしないとベースが目立ちすぎてしまうので注意が必要です。
ただ、ファズのかかったベースはかっこいいですまじで。
※個人の見解です。
モジュレーション系(揺らし系)
歪みに比べるとベースでの使用頻度もありますが、飛び道具的に使えるエフェクターです。
コーラス
ボーカルとは別にギターやベースがハモリを歌ったりすることをコーラスと言いますがそれと同じ意味で、音に厚みや奥行きを持たせるエフェクターです。
かけるとエコーがかかっているように聴こえたりもします。
クリーンベースに薄くコーラスをかけてあげると音圧が自然に上がり、深みも出るので裏技的にやっている人も多いです。
モジュレーション系の中では一番使ってる人が多いんじゃないでしょうか。
フランジャー
基本的にコーラスと同じ役割のエフェクターですが、フランジャーの方が過激にかかるのでベースソロで狙って飛び道具的に使うなどしない限りは単体での出番は少ないです。
ただ、他のエフェクターと組み合わせて繋ぐ際はコーラスだとかかりが弱くて負けてしまいがちですがフランジャーはかかりも強く負けないので面白い音が作れたりするので研究する価値ありです。
フェイザー
音をうねらせるエフェクター。
『びよぉぉぉ〜ん』とか『ぐおぉぉぉぉん』みたいな音になります。ほんとに。
語彙力がなくて申し訳ないのですが、SF映画の宇宙船の中にいるときのBGMとでも言えばわかりやすいでしょうか。
アンサンブルの中では扱いづらい印象がありますが、コアなファンも多いエフェクターです。
トレモロ
音量を上下することで音を揺らすエフェクター。
わかりづらい人は、音楽を聴きながら手で両耳をふさいだり離したりを高速で繰り返してみてください。
聴こえたり聴こえなかったりで音が揺れるはずです。
その効果を作り出してくれるのがトレモロで、薄くかけるとなんとも言えない甘い雰囲気を出してくれます。
空間系
歪みや、モジュレーションなど加工系のエフェクターが音に直接変化を加えるのに対して、空間系のエフェクターは”音がなった後の空間”に効果を与えてくれます。
空間系は大胆に音色を変えるエフェクターではなく、音色によって空間の使い方も変わってくるので一通り音作りが終わった後、かかり具合を調整するために最後に置くことが多いです。
ディレイ
弾いた音を遅れて繰り返し鳴らしてくれるエフェクター。
わかりやすくいうと山に登って『ヤッホー!』と叫ぶと繰り返し自分の『ヤッホー!』が聴こえてくるあの現象、やまびこを作ってくれるエフェクターです。
スラップでソロを取る時など上手く使えるとめちゃくちゃかっこいいです。
リバーブ
音を反響させるエフェクター。
お風呂場や狭いところで歌うと、自分の声が反響して聴こえる現象をベースに与えてくれるエフェクターです。
ギターやボーカルによく使われるエフェクターですが、薄くかけるとベースにも美しい響きが得られます。
使い方で繋ぐ場所が変わるエフェクター
最後に使い方や、機材の使用などで繋ぐ場所が変わるエフェクターを紹介していきます。
プリアンプ
エフェクターボード上で積極的な音作りをするためのエフェクター。
※プリアンプについて詳しく知りたい人はこちら
【今更聴けない】ベース用プリアンプって何?使い方とおすすめ機種を解説!
こちらは目的に応じて場所が変わるタイプで、
・パッシブベースなのでベース本体の音作りに使いたい=無加工系や補正系の後ろ
・サンズアンプやMXRなど、プリアンプの歪みを生かしたい場合=歪み系のところ
といったように自分がそのプリアンプで何がしたいのかによって変わります。
EQ(イコライザー)
積極的な音作りを行うプリアンプに対して、こちらは音を補正することが目的です。
※EQについてについて詳しく知りたい人はこちら
【役割を解説!】ベースのイコライザー(EQ)とは?使い方とプリアンプとの違い【エフェクター解説】
こちらも目的で場所が変わるタイプで、
・ベース本体の音を補正したい=無加工系の後ろ
・歪みの音色を補正したい=歪み系の後ろ
・最終的な音色を補正したい=一番後ろ
と言った具合に補正したい音の後ろに置くのが上手く音を作るポイントです。
ボリュームペダル
ペダルの踏み込み具合で音量を上下するエフェクター。
こちらはボリュームペダルの仕様で置く場所が変わります。
というより繋ぐ場所ではなく、”繋げる”場所が違うので買うときには充分注意しましょう。
・ハイインピーダンス仕様=一番前(無加工系よりも前)
・ローインピーダンス仕様=一番後ろ(空間系よりも後ろ)
また、繋げる場所によって得られる効果も異なり、
・一番前=ボリュームと一緒に歪みの量も変化する
・一番後ろ=変わるのはボリュームのみで歪みの量は変化しない
このようにはっきりと使える位置と効果が変わりますので、買う前にどのような使い方をしたいのかをよく考えた上で使用を間違えずに買いましょう。
フィルター系
フィルター系も目的に応じて繋ぎ方が変わるエフェクターですが、こちらは”歪み系の前後”に限定されます。
・フィルターをかけた音を歪ませたい=歪み系の前
・歪ませた音にフィルターをかけたい=歪み系の後ろ
この2択、同じように感じて実際に音作りをしてみると結構違いますので使用する際はいろいろ試してみてください。
エンベロープフィルター・オートワウ
かけると、自分のベースから『ワカチコワカチコッ』『ワウッワウッ』と言ったような音が出ます。
決してふざけているわけではなく、本当にこのような音が出る上ベーシストならクセになること間違いなしのグルーヴィーでファンキーな音です。
ファンク系のベーシストが好きな人はもちろん、そうじゃない人も1台は持っておきたいエフェクターの1つでしょう。
エンベロープフィルターとオートワウは厳密には違うエフェクターなのですが、同じ意味で使われることも多い上、同じエフェクターをエンベロープフィルターと呼ぶ人もいればオートワウと呼ぶ人もいるので一緒に紹介した。
一応違いとしては、
・エンベロープフィルター=演奏の強弱でエフェクトの強弱も変わる
・オートワウ=演奏の強弱に関係なく一定の強さでエフェクトがかかる
といった違いがあるようです。
ちなみに、普通にワウとかペダルワウと呼ばれるボリュームペダルのようにペダルを踏む強弱でエフェクトを調整するワウもありますがベーシストでこちらのタイプを使っている人は少ないです。
ベースシンセサイザー
ベースシンセサイザーは鍵盤楽器の一つで要は音の低いキーボードのようなものなのですが、ベースシンセサイザーのエフェクターをセットすることでベースで同じような音を出すことができるようになります。
『ビーっ!ビーっ!』といった沈むような電子音が出ます。
ベーシスト以外にベースシンセというと鍵盤楽器の方の意味で捉えられることが多いので気をつけましょう。
こちらも、ファンク系のベースにかかせないと行ってもいいエフェクターですが、最近だとKing Gnuのベーシスト新井和輝さんがベースシンセを駆使した音作りでかっこいいベースラインを連発しており、ロックやJ-POPのシーンでも使用する人が増えそうなエフェクターです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は”一般的とされるエフェクターの繋ぎ方のセオリー”をご紹介しました。
しかし冒頭にも書いてある通り、あくまでこれは一般論なのでかっこいい音や自分の好きな音が出せるなら繋ぎ方はなんでもいいです。
同じ種類のエフェクターでも機種によって音の特徴は変わりますし、それぞれ繋ぎ方を変えたときの効果も変わってきます。
なのでエフェクターボード組むというのは、代行サービスをやっている店があるくらい奥が深い作業なので、今回の記事の記事を参考にとりあえず一回セオリー通りに繋いでみて後から自由に変えてみてください。
むしろ誰もやっていない繋ぎ方やエフェクターの組み合わせで最高にかっこいい音ができたときの喜びは言葉にならないものがあるので、どんどんいろんなエフェクターに触れてさまざまなパターンを試してみて欲しいです。
では!
バンドマンから会社員になったアラサーベーシスト。
会社の飲み会をすっぽかしてベースを弾いちゃうほどのベース好き。
今までのベース人生を無駄にしないために役立つ情報を発信中!
コメント