【ベース用チューナーの種類】自分にあったチューナーの選び方やそれぞれの特徴を解説!
『そろそろ新しいチューナーがほしいけど色んな種類があってどれを変えばいいかわからない…』
『今使っているチューナーが自分のスタイルにあっているのか不安…』
『そもそも種類ごとにどんな違いがあるの?』
このようなお悩みを抱えているベース初心者さんは意外にに多いのではないでしょうか。
また、一口にチューナーといっても種類はたくさんありますし、エフェクターのように音に明らかな変化が起こるわけではないので『正直どれでもいいんじゃないの?』と思っている人も多いかと思います。
今回はそんな方々に向けて
- ベース用チューナーの種類
- 選ぶ際の注意点
- 目的に合わせた選び方
を解説していきます。
チューナーは自分の音を正確に届けるための必須ツールなのでこの記事を読んで自分がベースを弾くシーンやスタイルにあったエフェクターを選べるようにしましょう。
ベース用チューナーの種類
一般的にチューナーは
- クリップチューナー
- ペダルチューナー
- ラックマウントチューナー
- チューナーアプリ
- エフェクターやアンプに内蔵されているチューナー
- その他
に大別されます。
クリップチューナー
https://www.korg.com/jp/products/tuners/pitchclip2/より引用
クリップチューナーは主にベースのヘッドに挟むことで弦を弾いたときの振動を測定し、チューニングを行うスタイルのチューナーです。
アンプから出ている音を拾うわけではなく、弦を弾いたときの振動をベースを伝ってキャッチしてチューニングを行います。
小型で持ち運びがしやすく、価格も他のチューナーと比べると安価な事が多いので初めてのチューナーとして一番手が出しやすいのはクリップ型だと思います。
クリップチューナーのメリット
- 小型なので持ち運びが便利
- 価格が他のチューナーに比べると安価
クリップチューナーはズボンのポケットに入れて持ち運べてしまうほど小型なので荷物が全くかさばりません。
軽量なのでベースに付けたまま演奏することも可能です。
また、1,000円程度でチューニングの精度が高いモデルも購入できるのでとりあえず一つ持っておいても困らないと思います。
クリップチューナーのデメリット
- 付け外しが面倒
- スタジオやライブハウスに忘れやすい
- あまりに周りが爆音だと機能しない可能性がある
クリップチューナーは付けたまま演奏することも出来ますが、見た目を気にしたり、激しく動き回って演奏する人は飛んでいってしまったりする可能性もあるので、そういう人はチューニングの度に着脱することになり、少し手間がかかります。
そして、小型故に外してスタジオやライブハウスのアンプの上においたまま忘れて帰ってしまうことも多いので注意が必要です。
また、よっぽどの爆音でなければ大丈夫なのであまり気にする必要はないかもしれませんが、近くで演奏しているドラムの演奏などでベースが振動してしまい正しくチューニングが行えない可能性もあります。
ペダルチューナー
https://www.korg.com/jp/products/tuners/pitchblack_custom/より引用
ペダルチューナーはエフェクターと一緒にベースにつなぎ、足元に置いて使用するエフェクターです。
シールドケーブルを通してベースから送られてくる電気信号を使ってチューニングを行うタイプで、チューニングを行うモードを切り替えられたり、チューナーだけではなくバッファーとしての役割も果たしたりと高機能なものも多く存在します。
安価なものから高価なものまで幅広く存在しますが一番利用している人が多いタイプのエフェクターではないでしょうか。
実際にペダルチューナーをエフェクターボードに組み込みたい方は下記の記事も参考にしてみてください。
ペダルチューナーのメリット
- エフェクターと一緒にボードに組み込める
- バッファとして機能してくれるモデルもある
- 画面が大きいのでわかりやすい
ペダルチューナーは着脱の必要がなく、足でボタンを操作してオンオフを切り替えられるのでエフェクターボードに組み込んだまま持ち運んで使用できます。
また、バッファ機能を搭載しているモデルだとつなぐだけで音質の向上に一役かってくれたり、画面が大きくわかりやすく音を表示してくれたりするので普段の演奏から照明が暗いライブハウスでも重宝します。
ペダルチューナーのデメリット
- エフェクターを使わない人には邪魔
- エフェクターボードのスペースが一つ取られる
- 良くも悪くも音が変わる可能性がある
ペダルチューナーはエフェクターを使用しない人にとっては荷物が一つ増えることになり、シールドケーブルも2本使用しなくてはならないため、不便に感じることもあり、エフェクターボードを既に組んでいる人でもチューナー分のスペースを新たに確保する必要が出てくるので編成を変えたり大きなエフェクターボードに買い替えたりする手間が出てきます。
また、基本的にベースはエフェクターを繋いだ分だけ音が痩せるのでペダルチューナーを繋ぐことで些細な音の変化は避けられません。
カード型チューナー
https://www.korg.com/jp/products/tuners/tm_60/より引用
カード型チューナーはベースからシールドケーブルを通って送られてきた電気信号でチューニングを行う方法と、実際にアンプやスピーカーから出た音を内蔵されているマイクで拾ってチューニングを行う2つの方法が使えます。
クリップチューナー同様に比較的安価に購入でき、メトロノームも内蔵されているなど便利な機能がついているモデルが多いです。
カード型チューナーのメリット
- 薄くて小さいので持ち運びが楽
- 譜面台における
- メトロノームがついている
名前の通りカードのような形状をしており、薄くて小さいのでポケットに入れて持ち運ぶことも可能です。
譜面台にものせられるサイズなので楽譜を押さえる重しとしても活用できます。
また、メトロノームが内蔵されているモデルがほとんどなのでチューニング以外にも練習のお供としても活躍してくれます。
カード型チューナーのデメリット
- セッティングが面倒
- 内蔵マイクで拾う方法は静かな時しか使えない
- 視認性が悪い
カード型チューナーはエフェクターやアンプと一緒につなぐことが出来ないので使う度にシールドケーブルを抜き差しする必要があり、少しチューニングの際のセッティングが面倒になります。
それを解消するために、内臓マイクを使用してチューニングをする方法もありますが周りの音も拾ってしまうためバンドの練習やライブなど周りに人がいる状態で使用するのは難しいです。
また、画面が小さく液晶の視認性が悪いので照明が暗いライブハウスなどではほとんど見えません。
ラックマウントチューナー
https://www.korg.com/jp/products/tuners/pitchblack_x_pro/より引用
ラックマウントチューナーはラックシステムに組み込むためのサイズ規格で作られたチューナーです。
ペダルチューナーと同様にベースから送られてくる電気信号を使ってチューニングを行うタイプのエフェクターです。
現在ではコンパクトエフェクターや足元に置くタイプのマルチエフェクターが高品質になってきたこともあり、大型で持ち運びが不便なラックを組む人が少なくなっていることもあり身近に使用している人は少なくなってきた印象ですが、レコーディングスタジオなど大規模な設備が整っている場所では未だに使用されています。
ラックマウントチューナーのメリット
- 視認性が抜群
- ラックを組んでしまえば取り扱いが楽
他のエフェクターに比べて画面がかなり大きいのでかなり見やすく、チューニングがしやすいです。
既にラックを組んでしまっている人であればそこに組み込めば場所も取らずにラックの電源を入れるだけでいつでも使えるので取り扱いもかなり楽になります。
ラックマウントチューナーのデメリット
- かなり大型なので持ち運びが不便
- 単体で使用するメリットは皆無
そもそもラックマウントチューナーを組み込むためのラックはかなり大型なので機材運搬のスタッフが付いているプロのミュージシャンでも無い限り、持ち運びがかなり不便です。
また、”ラックに組み込めるサイズで作られている”というだけで性能はペダルエフェクターと変わらないのでラックを組んでいない人が単体でラックマウントチューナーだけ使用するメリットはほとんどありません。
エフェクターやアンプに内蔵されているチューナー
高性能なプリアンプやマルチエフェクター、アンプにはチューナーが内蔵されているものもあります。
使用したいエフェクターやアンプの中にチューナーが組み込まれていれば新たにチューナーを購入したりボードに組み込む必要もないので非常に便利です。
内蔵チューナーのメリット
- エフェクターボードがスッキリする
- エフェクターを繋ぐ数が減るので音質の劣化を防げる
内蔵されていると新たにエフェクターボードを組み直す必要もないですし、アンプに組み込まれているタイプであればアンプ直でもクリップチューナーを使用せずにチューニングが行なえます。
それによって、不要な配線を減らせるので音質の劣化を防ぐことも出来ます。
内蔵チューナーのデメリット
- チューナーとしては必要最低限の機能しかついていない事が多い
- 使用したいエフェクターに内蔵されていないと使えない
内蔵タイプの主役はエフェクターの機能になるので、チューナーとしては最低限正確に音を合わせる機能しかついていないものが多いです。
正直それだけでも十分ですがもしもチューナーとして高機能なものが必要なら別でチューナーを用意したほうが良いでしょう。
また、自分が使用したいエフェクターに内蔵されていないと使用する意味はないのであくまでついていたらラッキーといった感じになります。
チューナーアプリ
チューニングを行うためのスマートフォンやパソコンのアプリも存在します。
基本的にスマホやPCのマイクで音を拾ってチューニングを行うタイプが多いですが、音楽制作をするための『DAW』に内蔵されているチューナーであればオーディオインターフェースを通してシールドケーブルを指してチューニングを行うことも可能です。
チューナーアプリのメリット
- 無料で使えるものもある
- 手軽に試せる
チューナーアプリは基本的には無料で使えるものが多いので突然チューナーが壊れたときや、すぐに変えない状況のときに重宝します。
使ってみて使いづらいと感じた場合もアプリをアンインストールして新しいものを探せばいいだけなので色んなものを気軽に試せます。
チューナーアプリのデメリット
- チューニング精度が悪いものもある
- ライブで使用するのは難しい
スマートフォンアプリは世界中の人が誰でも作れるので中にはチューニング精度が悪いものも存在します。
そのためアプリを選ぶ際はレビューなどをよく確認しましょう。
また、基本的には内蔵マイクを使用してのチューニングなのでライブやスタジオでの練習など他の楽器の音や雑音がある環境で使用するのは困難です。
ギター用チューナーとの違い
基本的にはほとんどのメーカーがどちらでも使用できるモデルとして製作しているのでギター用ベース用という区分はなく、兼用で使用できます。
また、クリップチューナーやカード型チューナーなどの楽器の振動や内蔵マイクで音を拾うタイプのチューナーはサックスやトランペットなどの管楽器で使用されるケースもあります。
目的別に最適なチューナーの種類を紹介
ベースを演奏する場面や目的別に最適なチューナーの種類をご紹介します。
バンドを組んでライブを行う人
バンドを組んでライブをおこなったり他人とスタジオで他の人と演奏する人は
- ペダルチューナー
- クリップチューナー
がおすすめです。
バンドを組んでいる人は他人が周りにいる状態でチューニングを行う機会が多く、チューニングのセッティングにも毎回時間をかけていては迷惑になってしまうため周りの音に干渉されず、最初にセッティングしてしまえば好きな時にチューニングが行えるどちらかを選ぶのが最適です。
特にライブを行う人は暗転したステージの上でも視認性がよく、見栄え的にもかっこいいペダルチューナーですが、『アン直派の人』や『足元に置く機材の数を減らしたい人』はクリップチューナーを選びましょう。
セッション会などに参加して色んな人と交代して演奏する人
セッション会などでいろんな人と交代しながら演奏する人は
- クリップチューナー
がおすすめです。
セッション会では、曲ごとに演者が変わることも多く飛び込み参加で演奏するケースやすぐに次の人と交代しないといけないことも多いのでリハーサルの時間があるライブと違ってあまりセッティングに時間をかけられません。
アン直で演奏するケースも多いためクリップチューナーをポケットに忍ばせておいて、アンプで音作りだけ行ったらサッとチューニングを行いましょう。
自宅のみで録音や動画投稿を行う人
基本的に自宅でしか演奏しないという方は
- チューナーアプリ(DAWに搭載されているもの)
- クリップチューナー
がおすすめです。
基本的にベースを録音するときにはPCかスマホにオーディーオインターフェースを通してベースで繋ぎ、DAWで音の編集や録音を行います。
DAWには基本的に有料のものであれば精度の高いチューナーがついているのでわざわざ外付けのチューナーを購入して使用する意味が特にありません。
もしも無料のDAWソフトを使用していてチューナーがついていないという場合にはスペースを取らないクリップチューナーを使用するのがおすすめです。
とにかく音質にこだわる人
とにかく音質を劣化させたくないというこだわり派の人には
- クリップチューナー
がおすすめです。
ベースの音が最も劣化しない方法は『アンプに直接ベースを繋ぐこと』です。
どれだけ高品質のエフェクターであっても繋いだ時点で多少の音痩せは避けられません。
繋ぎ方を工夫したり音痩せの少ないシールドケーブルを使えば気にならない問題ではありますが、”些細なものでも音質にこだわりたい”という方にはシールドでベースと繋ぐ必要のないクリップチューナーを選びましょう。
目的に合わせて何種類かチューナーを用意しておくのもあり
当たり前ですが、チューナーは1つしか持ってはいけないということはありません。
『バンドを組んでてライブもよくするけど、一人でセッションにも参加する』
という方はペダルチューナーとクリップチューナーの両方を持っていてもいいですし、
『家で演奏するときはチューナーアプリを使用し、外に持ち出すようにペダルチューナーも持っておく』
という方法ももちろんありです。
チューナーも含めて機材はベース歴が長くなるほど増えていくものなので自分にとって必要なチューナーを用意しましょう。
チューナーを選ぶ際の注意点
自分に合ったチューナーを選ぶ際のポイントについて解説していきます。
- 画面表示の明るさを確認する
- 『トゥルーバイパス』か『バッファードバイパス』か確認する
- 余計な機能がついていないか確認する
画面表示の明るさを確認する
液晶に表示される音が明るく鮮明に表示されているかを必ず確認しましょう。
例えば『白黒の表示で液晶の光も弱い…』といったチューナーだと、暗転したステージの上ではほとんど見えません。
また、野外でのライブの際なども日光が反射して見えないといったこともあるので必ずどんな環境でもしっかり表示されている音が確認できるチューナーを選ぶようにしましょう。
『トゥルーバイパス』か『バッファードバイパス』か確認する
ペダルエフェクターを購入するとき限定の話になりますが、『トゥルーバイパス』か『バッファードバイパス』かを必ず確認しましょう。
簡単に説明するとチューナーを繋いで使用していないときに音が変わるかどうかといった違いがあります。
特にバッファードバイパスの場合はチューナーを繋いだだけで音が変わるものもあるので必ず購入前に確認しましょう。
基本的には音が変わらないトゥルーバイパスを選ぶのがおすすめです。
余計な機能がついていないか確認する
自分に必要な機能だけが付いているものを選ぶようにしましょう。
昨今技術の進化により多機能なものも増えましたが、チューナーの役割はあくまで正確に音を合わせることです。
やたらと多くの機能がついたチューナーを使っていると、ライブ中に変なスイッチを押してしまってテンパることもありますし、その分値段も上がるので本当に自分に必要な機能だけがついているチューナーを選びましょう。
おすすめのチューナー
利用するシーンの多いおすすめの『ペダルチューナー』と『クリップチューナー』を紹介していきます。
クリップチューナー
- TC ELECTRONIC ( ティーシーエレクトロニック ) / UniTune Clip クリップチューナー
- KORG ( コルグ ) / Pitchclip 2 クリップチューナー
- DADDARIO ( ダダリオ ) / PW-CT-12 NS Micro Headstock Tuner
TC ELECTRONIC ( ティーシーエレクトロニック ) / UniTune Clip クリップチューナー
最新技術を用いた高品質なエフェクターを数多く世に送り出しているTC ELECTRONICが販売するクリップチューナーです。
確かなチューニング精度と見やすい液晶画面で数多くのファンがいます。
上位互換としてPolyTune Clip クリップチューナー というモデルも存在します。
KORG ( コルグ ) / Pitchclip 2 クリップチューナー
数多くのチューナーを販売しているKORGのクリップチューナーです。
小型で軽量、お手頃な価格、視認性の良さで利用している人も多いです。
ペダルチューナー
- TC ELECTRONIC ( ティーシーエレクトロニック ) / Polytune 3 ポリフォニック チューナー
- KORG ( コルグ ) / PB-CS Pitchblack Custom Black
- BOSS ( ボス ) / TU-3 クロマチック・チューナー
TC ELECTRONIC ( ティーシーエレクトロニック ) / Polytune 3 ポリフォニック チューナー
ペダルチューナーの中で圧倒的な人気を誇るTC ELECTRONICの『Polytune 3』。
少し高価ですが、圧倒的に多機能でチューニングモードも選べる上にトゥルーバイパスとバッファードバイパスの切り替えも可能なので音作りにも一役かってくれます。
KORG ( コルグ ) / PB-CS Pitchblack Custom Black
ペダルチューナーの定番といえば『KORG』の『Pitchblack』でしょう。
過去に発売されたモデルを今でも使用している人がいるほど代々根強い人気を誇るモデルです。
チューニング精度や視認性もさることながらひっそりとエフェクターボードに佇む姿がカッコいいという理由で使用している人も多いです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
チューナーにはいろいろな種類がありますがそれぞれに優劣はなく、使う人のスタイルによって使い勝手が変わってきます。
初めてチューナーを買う人も、新しいものの購入を考えていた人もこの記事を参考に自分にあったエフェクターを探してもらえれば嬉しいです。
バンドマンから会社員になったアラサーベーシスト。
会社の飲み会をすっぽかしてベースを弾いちゃうほどのベース好き。
今までのベース人生を無駄にしないために役立つ情報を発信中!
コメント