【徹底解説】ベース用コンプレッサーの使い方!【初心者におすすめの機種もご紹介】

機材関連

どうもKelonです。

ベーシストが使うエフェクターとして最も定番の一つとしてコンプレッサーがあります。

通称”コンプ”と呼ばれているあれですね。

よく耳にはするけど実際どの様な役割を果たすエフェクターなのか、
具体的な使い方はどうするの?といった方は多いと思います。

今回はそんなコンプレッサーの役割と扱い方を徹底的に解説していこうと思います。

コンプレッサーとは

大きな音をコンプレッション(圧縮)するエフェクターです。

ベースは弦の太さがバラバラですし、ギターなどに比べて長いです。
なので高い音と低い音を弾いた時に音量のばらつきが出やすい楽器なんですよね。

そこでコンプレッサーを使って大きな音を圧縮してあげることで
音量を均一にすることができます。

実際にコンプをかけるとこのようになります。

上:コンプなし
下:コンプあり

同じ設定、同じ音量で同じフレーズを弾いた2つの録音データです。

コンプなしの方は波形に丸みがあるのに対し、
コンプありの方は大きな音量が圧縮されているので少し角張った波形になっています。

また全体的に見てもコンプありの方は平に近い波形になっており音が圧縮されて
音量が均一になっているということがわかるかと思います。

コンプレッサーの役割

大きな音を圧縮することが本来のコンプの役割なのですが使い方はそれに留まりません。

音粒を揃える

これが一番ベーシックな使い方

コンプを使って『これ以上大きな音は圧縮するよ!』と設定すれば
どれだけ力一杯弾こうがそれ以上の音量は出ません。

例えば2フィンガー奏法で人差し指と中指で弦を弾く強さがバラバラでも音量が均一になるので
音粒が揃って聴こえる様になります。

特にスラップ奏法の時はサムとプルで音量差が出やすいので重宝します。

音を引き締める

音を圧縮することで単に音量差がなくなるだけではなく、本来鳴っているはずの
余分な音も聴こえなくすることができるので音が締まって聴こえる様になります。

ボワッとした低音の輪郭を引き締めてあげることでベースの音程が聴き取りやすくなり、
バンド全体の音も締まって聴こえる様になります。

スラップの音がカッコよくなる

コンプを使ってあげることでスラップの音が簡単にカッコよくなります。

理由は上記と少し被りますが音を引き締めてあげることで高音の抜けがよくなり、
プルの音に迫力が増したり、ゴーストノートのアタック感を強めたりできることによる
恩恵が大きいです。

そもそもスラップは音粒を揃えることが非常に難しい奏法なので、
コンプはスラッパーには必須のエフェクターといっても過言ではないです。

サスティーンが伸びる(クリーンブースターとして使う)

音量を上げすぎると音が割れたり歪んでしまったりしますが、コンプを使うことで
音量を上げてもある程度の音割れなどは防ぐことができます。
通常音割れしている音は圧縮されているので最大音量はあまり変わらないですが、
全体の音量は上がっているため音が消えるまでの時間は長くなります。

音色を変化させるエフェクターとして使う

コンプにもいろいろな種類があり音を圧縮するという本来の目的は全て同じですが
音の特徴は異なります。

原音重視のコンプだと劇的に変化はなくても音に艶が出てブリっとした音になったり、
逆にエフェクティブなコンプだと真空管を通した様な歪みが得られたりギラギラした
派手な音になったりします。

またコンプをかけることでパコパコとした音(コンプ感)が得られ
ゴーストノートやアタック音のアクセントになります。

コンプレッサーの使い方

そんな優秀すぎるコンプの操作方法を解説していきます。

実際は各メーカーごとについているつまみの数やエフェクトのかかり方が
違いますので一概にこうしろとは言えないのですが
基本的な5つまみの意味と設定の手順を覚えることでどんなコンプにも応用できます。

下記に記載してある順番で設定を行ってみましょう。

Threshold(スレッショルド)

コンプをかけ始める音量を決めるパラメータ

+にすれば大きな音量、-にすれば小さい音量にまでコンプがかかります。

最初に高く設定しすぎると大きな音にしかコンプが掛からなくなり
音作りの際に判りづらいので最初は低めに設定しておきます。

最後の仕上げにまたいじります。

Ratio(レシオ)

どれくらい圧縮するかを決めるパラメータ

要はコンプの強さを決める部分です。
4:1の様な数字で表記されていることが多く、この場合コンプがかかっている部分の音量を
4分の1に圧縮するという意味になります。
1:1に設定すると全くコンプが掛からなくなります。

どれくらいコンプをかけたいのかある程度最初に設定しておきましょう。
レシオを強くすることでコンプ感が得られますが上げすぎには注意です。

Attack(アタック)

コンプが掛かり始めるまでの時間を決めるパラメータ

高く設定するとコンプの掛かり始めが速くなるので弾いた瞬間から音が圧縮されます。
逆にピッキングのニュアンスをナチュラルに残したい場合は低めに設定してあげることで
弾いた後少したってから音が圧縮されます。

Release(リリース)

コンプが掛かっている時間を決めるパラメータ

高く設定すると長時間コンプがかかるので音の減衰が緩やかになり、音を長く保てます。
逆に自然に鳴り終わる様にしたい場合は低めに設定してあげます。

クリーンブースターとしての使用が目的の場合はリリースを高めに設定してあげることで
サスティーンが伸びます。


ここまでの設定を終えたら再びスレッショルドを調整します。
音を出しながら上げ下げして、自分がコンプを掛けたい音量を探っていきます。

スレッショルドは高すぎるとコンプが掛からなくなり
低すぎるとほとんどの音が圧縮されてしまいますので、
今までの音作りが台無しになってしまいます。
いろんな強さでピッキングしながら圧縮したい音量にだけ掛かるように調整することがコツです。

Gain/Level(ゲイン/レベル)

最終的な音量を調整するパラメータ

これまでの設定で音量も変化しているので最後にここで理想の音量に設定してあげて
コンプの設定は終了になります。

この基本の5つのパラメータの意味を理解しておくことでほとんどのコンプは扱えるようになります。
機種によってはつまみが省略されて3つしかない物などもありますがこの手順を守って
存在しないつまみの項目を飛ばして設定を行えば大丈夫です。

コンプを上手に扱うコツ

強く掛けすぎないこと

これに尽きます。

コンプレッサーを敢えて悪い表現で表すと音を潰すエフェクターです。

強く掛けすぎることで完全に音が潰れて音抜けが悪くなり、バンドやアンサンブルの中に入ると
他の楽器に埋もれてベースの音が聴こえなくなります。
そればかりか音程感や強弱もなくなるので一緒に演奏しているメンバーはとてもやりにくいですし
耳障りに感じるでしょう。

強くコンプを掛けるとなんとも言えないパコパコ感があり聴いていて
癖になる音なので強く掛けがちですが気持ちよく感じるのは独りで弾いている時だけです。

当然狙って強く掛けている場合は別ですが強く出過ぎている音を圧縮するという
本来の目的を忘れずにコンプは自然にかけるという意識をしっかり持ちましょう。

また、コンプを掛けっぱなしで練習していると自分が上手くなったと錯覚してしまい
成長の妨げになるので普段の練習ではあまり使わないようにしましょう。

初心者におすすめなコンプレッサー3選

最後に扱いやすく値段も手頃なコンプレッサーをご紹介します。

EBS ( イービーエス ) / MultiComp BlueLabel

サウンドハウスで購入 サウンドハウスで購入

通称”マルコン”。
最も使用者が多いといっても過言ではないほど定番中の定番です。

繋ぐだけでも音が太くなり、少ないつまみで簡単にかっこいい音が作れる操作性も魅力。
現行版(2020年12月現在)のBlueLabelには新たにSensつまみ(Threshold)が追加され
より使いやすくなりました。

Vivie ( ビビー ) / FenneComp

サウンドハウスで購入 サウンドハウスで購入

破竹の勢いでその名を轟かせている国産メーカーVivieのコンプです。

たった3つのつまみだけでナチュラルな音からエフェクティブな音まで
コンプの掛け具合を調節することができます。

コンプではあまり見ないToneつまみがついており、積極的に音作りができる設計に
なっているところもポイントが高いです。

AGUILAR ( アギュラー ) / TLC Compressor

サウンドハウスで購入 サウンドハウスで購入

上記2つに比べれば音色の変化は少ないですがこちらもおすすめ。
基本的に原音重視なコンプで自然に音粒を揃え、音に艶を出してくれます。

が、スラップの時には指弾きの際の大人しさが嘘のようになんとも言えない
鋭い音を鳴らしてくれるのでスラッパーにおすすめしたいコンプ第1位です。

つまみは4つと少し多めですが、ベース用に最適にチューニングされているので
どのように設定しても大きく破綻しないところが最もおすすめできるポイントです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はコンプの基本的な使い方について解説しました。

コンプの本来の目的は音を圧縮することですが、
単に音粒を揃えるだけではなく音作りをする上で様々な役割を持っている
優秀なエフェクターであることも事実です。


たまーに『コンプは甘え』なんて言っちゃう玄人さんもいらっしゃいます。
確かにコンプを使わずに自分の手の技術だけで音粒を揃えられるようになればとても
かっこいいですがそれはまた別のお話です。

しっかりコンプの使い方を理解して自分の理想の音に近づけていきましょう。
何度も言いますがコンプの掛けすぎは要注意ですよ。

この記事が面白かった人はこちらの記事もおすすめです。

【今更聴けない】ベース用プリアンプって何?

では!

コメント

タイトルとURLをコピーしました